小規模下水処理施設のオキシデーションディッチ用の縦軸型機械式曝気装置です。オキシデーションディッチ以外でも、鋼板製反応槽と組み合わせた新しい汚水処理システムとしても運用可能です。

＜小規模下水処理施設＞

従来の横軸型／斜軸型の曝気装置は、「長期稼働による消費電力量が大きい」「駆動部の過荷重による軸受の故障が頻発する」「引き上げ作業等メンテナンスが大変」などの課題を抱えていました。これに対し「スミレーターシステム」は消費電力量を低減させ、シンプルな構造で故障を減らし、メンテナンスを容易にすることで課題を改善しています。

①酸素供給能力が高く消費電力量が少ない

インペラが効率良く槽内を曝気撹拌することで消費電力量を低減し、コストを低減します。また横軸型曝気装置と比較して、30％以上高い酸素供給性能を有しています。

②構造がシンプルで壊れにくい

モーター、減速機、インペラが直結したシンプルな構造で駆動部のベルトやチェーンなどの交換が不要。点検箇所がほとんどなく、故障の少なさが特長です。高度処理、バルキング対策などの水処理方式にあわせた多様な運転も可能です。

③し渣や髪の毛が絡まらずメンテナンスが容易

駆動部がスラブ上にあるため、駆動部のし渣や髪の毛が絡まりません。オイルやグリスの注入も容易で、目視・聴音だけで装置の状態を把握できます。結果、維持管理作業を短縮でき、コストを低減できます。

「スミレーターUD」は、スミレーターFXの持つ循環・揚水・曝気撹拌・螺旋流機能を継承し、インペラの昇降機能が加わったことで、無酸素撹拌機能が強化されています。

4つの機能で効率良く曝気・撹拌し酸素供給

循環機能

コーナー部で撹拌することで循環流を効率良く維持します。

揚水機能

インペラ通水口の作用で混合液を持ち上げ動水勾配を形成します。

曝気撹拌機能

揚水された混合液を気液接触させ酸素の供給を行います。

螺旋流機能

循環流と揚水流が合わさって発生する螺旋流が汚泥の沈積を防止します。

インペラ下降運転で安定した高度処理を実現

好気運転時は水面上にあるインペラの回転数を上げ、適度の飛沫を発生させて曝気作用をもたらし、無酸素運転時はインペラを下降、ゆっくり回すことにより無酸素撹拌状態を形成。高速回転／低速回転・インペラ上昇／下降運転を繰り返すことでBOD・SS除去を行い、また嫌気状態にすることで水中のアンモニアに溶け込んだ窒素を空気中に放出し、脱窒処理を行います。