嫌気性排水処理システム
住友重機械エンバイロメントの嫌気性排水処理システムについて紹介します。
嫌気性排水処理とは
酸素のない嫌気的条件において微生物の代謝作用により汚れのもととなる有機性物質をメタンガスと二酸化炭素に分解する生物学的水処理プロセスです。

嫌気性排水処理によるエネルギー(メタンガス)回収
食品・飲料・化学品・紙パルプなどを製造する多くの工場では、高濃度の有機性物質を含む「高濃度廃液」と呼ばれる排水が発生し、廃棄物として外部処理されることが一般的です。しかし、高濃度廃液は嫌気性排水処理をすることで、エネルギー(電力、熱)として再利用することが可能な「メタンガス」を発生させることができます。
処理対象の有機性物質が動植物由来のものであれば、現在使用している電気や燃料の代替とすることでCO2削減につながります。
さらに、好気性排水処理システムの運転コスト、発生汚泥の外部処理コストの削減につながります。

嫌気性排水処理システムの特徴
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特徴① 効率的な処理により設置面積が小さくなります
有機性物質を高負荷で処理するため、従来の標準活性汚泥法よりも設置スペースを小さく抑えられ、敷地を有効活用できます。
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特徴② 汚泥発生量が1/10で廃棄物が削減できます
標準活性汚泥法と比較して余剰汚泥発生量は1/10に減量します。廃棄物発生量を削減する環境に配慮した排水処理システムです。
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特徴③ 曝気動力が不要で電力コストとCO2を削減できます
好気性排水処理方式と異なり、曝気用動力を必要としません。電力コストとCO2を大幅に削減することが可能です。
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特徴④ バイオガスを有効活用しエネルギー回収ができます
生成されるバイオガスを発電設備やボイラ設備で燃料として使用し、電気や蒸気としてエネルギー回収ができます。
嫌気性排水処理システムラインナップ
住友重機械エンバイロメントがご提供する嫌気性排水処理システムをご紹介いたします。
(EGSB・UASB)
酸生成を促進する酸生成槽とメタンガス発酵による有機性物質の除去とバイオガス生成が行われる反応槽とで構成されます。
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■省エネルギー・創エネルギー
- 嫌気性微生物が酸素を使わず有機性物質からバイオガスを生成
- 曝気動力が不要
- 発生バイオガスの有効利用が可能
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■廃棄物削減
- 余剰汚泥の発生はほとんどなく、産廃処分量も大幅削減
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■省スペース
- 好気性排水処理と比較して、設置スペースを削減
(MBR式メタン発酵システム)

膜分離により、嫌気性菌の濃度を高め従来のEGSB、UASBよりも高負荷かつ高効率の処理が可能です。
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■原水の高SS、高n-Hex濃度にも対応
- 他の嫌気性排水処理システムに比べ、原水SS・n-Hexの高濃度受入れが可能となります。
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■後処理が容易
- 膜ろ過により、SSを含まない清澄な処理水が得られます。
- 高濃度なMLSS運転により、有機性物質の除去率が高くなります。
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■メンテナンスが容易
- 洗浄などのメンテナンス性を考慮し、槽外膜を採用しています。
(流動床式担体型嫌気性排水処理システム)

表面に微生物が付着した粒状活性炭を用いて排水の有機性物質を分解し、バイオガスを生成する嫌気性排水処理システムです。
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■ランニングコスト低減、CO2排出量を削減
- 中和剤の使用量を低減できます。
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■超高負荷運転を実現
- 活性炭を担体として使用することで、嫌気性微生物の保持量が増え、高い処理性能を実現します。
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■原水の許容範囲が広い
- 原水COD、SS、n-Hex濃度の適用範囲が広いです。
住友重機械エンバイロメントは、豊富なラインナップから最適なシステムをご提案します