トータルケア・システム、凸版印刷と
使用済紙おむつのリサイクルで協業

6 安全な水とトイレを世界中に
9 産業と技術革新の基盤をつくろう
12 つくる責任 つかう責任
13 気候変動に具体的な対策を
15 陸の豊かさも守ろう

自治体が抱える「使用済紙おむつ廃棄問題」

近年の日本の高齢化および要介護者の増加により、紙おむつの生産量・使用量が増加傾向にあり、それに伴って使用済紙おむつの廃棄に関わる自治体負担が大きな社会問題となっています。使用済紙おむつは一般廃棄物排出総量の約4%以上を占めると言われており、さらに今後増加が見込まれています。また、水分を多く含んで重くなり、焼却処理を行う際の発熱量は可燃ごみの3分の1程度で生ごみと同等であるため、焼却しづらいという課題があります。今後さらに可燃ごみに占める割合が増加すると焼却炉では助燃材の使用量も増加し、焼却コストやCO2排出量が増加する可能性があります。

こうした問題に対し、住友重機械エンバイロメント株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:永井 貴徳、住友重機械工業株式会社100%出資、以下 住友重機械エンバイロメント)、トータルケア・システム株式会社(本社:福岡県福岡市、代表取締役:長 武志、以下 トータルケア・システム)、凸版印刷株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:麿 秀晴、以下 凸版印刷)の3社は使用済紙おむつをリサイクルする「完結型マテリアルリサイクルシステム」の構築とその後の事業展開に関する協議を開始しました。

「完結型マテリアルリサイクルシステム」とは?

「完結型マテリアルリサイクルシステム」のフロー図

「完結型マテリアルリサイクルシステム」は、使用済紙おむつから回収できるすべての再生資源をマテリアルリサイクルするシステムです。トータルケア・システムではリサイクル処理後の再生パルプを、建築資材の原料(外壁材、内装材等)として有効利用しています。また、プラスチックは燃料としてサーマルリサイクルしていましたが、経済産業省の補助事業(サポイン)を活用し、再資源化の研究開発が進んでいます。

このたび、さらに多くの自治体への使用済紙おむつリサイクルの普及促進のため、下水処理や民間排水処理などの水処理施設を主体にプラント設計・施工から運転管理まで幅広く手掛ける住友重機械エンバイロメントがプラント設計および施工を担い、再生資源の活用技術を持つ凸版印刷が介護・保育・医療向けをはじめとしたさまざまな製品へのアップサイクルを担う本協業の枠組みの検討を開始します。この3社の協業により、使用済紙おむつの分別回収・水溶化処理・再生資源の活用まで、リサイクルシステム全体を構築することが可能となります。