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住友重機械エンバイロメント、トータルケア・システム、凸版印刷の3社が使用済紙おむつのリサイクルで協業開始

2020年04月07日

住友重機械エンバイロメント株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:永井 貴徳、住友重機械工業株式会社100%出資、以下 住友重機械エンバイロメント)、トータルケア・システム株式会社(本社:福岡県福岡市、代表取締役:長 武志、以下 トータルケア・システム)、凸版印刷株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:麿 秀晴、以下 凸版印刷)の3社は、年々増加傾向にあり社会問題化している使用済紙おむつの廃棄物が増加する問題に対して、使用済紙おむつをリサイクルする「完結型マテリアルリサイクルシステム」の構築とその後の事業展開に関する協議を開始することに合意しました。

「完結型マテリアルリサイクルシステム」のフロー図
「完結型マテリアルリサイクルシステム」のフロー図

「完結型マテリアルリサイクルシステム」は、使用済紙おむつから回収できるすべての再生資源をマテリアルリサイクルするシステムです。トータルケア・システムではリサイクル処理後の再生パルプを、建築資材の原料(外壁材、内装材等)として有効利用しています。また、プラスチックは燃料としてサーマルリサイクルしていましたが、経済産業省の補助事業(サポイン)を活用し、再資源化の研究開発が進んでいます。
このたび、さらに多くの自治体への使用済紙おむつリサイクルの普及促進のため、下水処理や民間排水処理などの水処理施設を主体にプラント設計・施工から運転管理まで幅広く手掛ける住友重機械エンバイロメントがプラント設計および施工を担い、再生資源の活用技術を持つ凸版印刷が介護・保育・医療向けをはじめとしたさまざまな製品へのアップサイクルを担う本協業の枠組みの検討を開始します。この3社の協業により、使用済紙おむつの分別回収・水溶化処理・再生資源の活用まで、リサイクルシステム全体を構築することが可能となります。

背景
近年の日本の高齢化および要介護者の増加により、紙おむつの生産量・使用量が増加傾向にあり、それに伴って使用済紙おむつの廃棄に関わる自治体負担が大きな社会問題となっています。使用済紙おむつは一般廃棄物排出総量の約4%以上を占めると言われており、さらに今後増加が見込まれています。また、水分を多く含んで重くなり、焼却処理を行う際の発熱量は可燃ごみの3分の1程度で生ごみと同等であるため、焼却しづらいという課題があります。今後さらに可燃ごみに占める割合が増加すると焼却炉では助燃材の使用量も増加し、焼却コストやCO2排出量が増加する可能性があります。
こうしたなか環境省は、使用済紙おむつの焼却に代わる処理方法として、自治体等を対象に「使用済紙おむつ再生利用等に関するガイドライン」を3月31日に発表しました。
3社は、今後さらに増加が見込まれ深刻化が予想される使用済紙おむつ処理問題に対応するため、「完結型マテリアルリサイクルシステム」の構築と事業化の検討を開始します。
本事業における3社の役割
住友重機械エンバイロメント:水溶化処理設備のプラント設計および施工
トータルケア・システム:使用済紙おむつのリサイクル技術・ノウハウ提供
凸版印刷:再生資源を最適にアップサイクルするためのプロセスコントロール、用途開発、活用、販売
住友重機械エンバイロメント株式会社について
住友重機械エンバイロメントは「快適な生活・環境」を守るために、水処理事業を通じて持続可能な社会の実現を目指しています。下水処理や民間排水処理などの水処理に関する高度な技術と、設計施工から運転管理までの幅広い実績を有し、本事業のプラント設計・施工を担当します。これまでに培ったエンジニアリング力を活かし、さらに深刻となる使用済紙おむつの問題解決に向けて積極的に取り組み、社会の持続的発展に寄与いたします。
トータルケア・システム株式会社について
2004年、福岡県大牟田エコタウン内に、水溶化処理による紙おむつリサイクルプラント「ラブフォレスト大牟田工場」を竣工し、2005年より事業を開始。世界的にも例が少ない紙おむつのリサイクルシステムを国内ではじめて構築しました。現在では医療機関・福祉施設や周辺自治体の一般家庭から排出される年間5,000トンを超える使用済紙おむつをリサイクルしています。使用済紙おむつを焼却せずにリサイクルすることでCO2排出量を約37%削減することができます。
凸版印刷株式会社について
凸版印刷は事業活動を通じ持続可能な社会づくりに貢献するため、SDGsの取り組みを強化し、「社会的価値創造企業」の実現を目指しています。パッケージに利用されている「GLBARRIER」や「カートカン」、「101エコシート」などの建装材など、環境配慮型製品を多数ラインアップし、環境にやさしいモノづくりに取り組んでいます。また、成長領域として「まちづくり」を掲げており、まちの未来に関わる多くの課題に対する各種サービスを提供し、地域社会の課題解決や住民のQOL向上を目指すことで「安心安全で豊かなまちづくり」に貢献します。
今後の展開
3社は、2020年3月より多くの自治体に導入可能な使用済紙おむつリサイクルシステム事業モデルの検討を開始し、2022年度以降の事業化および自治体採用を目指します。
  • 本ニュースリリースに記載された商品・サービス名は各社の商標または登録商標です。
  • 本ニュースリリースに記載された内容は発表日現在のものです。その後予告なしに変更されることがあります。

以上